この記事は WWA Advent Calendar の24日目です。
おは #ぶいちゃ!!!*1 VRChat 遊んでますか? VRChat を初めて遊んで体験した感想は「お、3D版 WWA じゃ~ん!」。なので自分なりに調べたり考察したりして見つけた、思わぬ共通点を探ってみたいと思います。
VRChat とは
VR 関連のメディアサイトである MoguLive の記事を参考にすると・・・。
「VRChat」は、バーチャル空間にアバターでログインし、多人数でコミュニケーションができるソーシャルVR(※)と呼ばれるジャンルのアプリです。
仮想空間で交流できるコミュニケーションアプリですね。いわゆるメタバースの一種でしょうか。アバターとは自分自身のキャラクターのことです。 Meta Quest のようなVR機器がなくてもプレイできます。自分もそうですが、そろそろ VR 機器買ってもいいかなという頃合いです。
こうしたワールド上でオンラインで集まるプラットフォームは昔もあったかと思いますが、 VRChat が人気の理由は遊べるワールドやアバターの数が圧倒的に多いことでしょうか。
WWA とは
この前投稿した記事をご参照ください(投げやり)。
共通点
コミュニケーションプラットフォームとゲーム制作ツールということで似ているとは言い難い両者ですが、コンセプトなどを考えると共通点が3点あります。
- ユーザーがワールドを制作し、ユーザーが参加することのできるプラットフォーム
- ワールド構成がシンプル
- ゲートを通じてほかのワールドへ移動できる
それぞれ説明します。
- VRChat のワールドは自分が訪問したワールドを取り上げて説明します。紹介するワールドの傾向に偏りがあるかもしれません。
- VRChat はじめて1年経過していますが、プレイ頻度は1ヶ月に1回ぐらいのレベルです。ワールドの知識力は乏しいと思いますがご了承ください。
- VRChat のワールドは作者名含めて画面を掲載しています。多分大丈夫だとは思いますが、画面掲載してはいけないワールドがあれば教えてください(少なくともバーチャルマーケットは OK のようです)。
ユーザーがワールドを制作し、ユーザーが参加することのできるプラットフォーム
VRChat は個人あるいは企業がワールドを作って、ユーザーが遊んでもらえる仕組みを取っていますが、ワールド制作は VRChat をある程度遊べば公開することができます。
こうしたユーザーが参加できる特徴をよ~く示したイベントがバーチャルマーケット、 Vket ではないでしょうか。期間限定で個人あるいは企業が集まり一同に展開します。ざっくりいえばバーチャル版コミケです。
WWA も簡単に作ることが可能で、作成ツールで制作したゲームは PLiCy などのゲーム投稿サービス、あるいは自分のホームページに公開することができます。ただし VRChat と比べてコミュニティの規模は小さいことと、ゲーム作成に特化したツールなことから、ワールド制作はほぼすべて個人によるもので、バーチャルマーケットのようなイベントはありません*2。
投稿されるワールドも様々。作者オリジナルのアセット(素材)で独自の世界観を展開するワールドもあります。
驚くことに、 WWA のゲームファイルには「ワールド名」を指定することが可能なのです。なので、以降この記事では WWA ゲームのことをワールドと呼びます。
ただしワールドの制作方法や投稿方法、遊び方などに違いがあります。まあユーザーにとってはなんのこっちゃという話ですが、もし今から WWA に近いプラットフォームを作るとすれば、公式でワールド投稿サービスを展開していたのかもしれません。
VRChat | WWA | |
---|---|---|
Unity (汎用的なゲーム制作環境) | 制作ツール | 専用の WWA マップ作成ツール |
VRChat プラットフォームのみ | 投稿場所 | ゲーム投稿サービスあるいは自分のホームページ |
VRChat アプリ | 遊ぶ環境 | Web ブラウザー |
同じ | 開発と投稿場所の関係 | 別々 |
ワールド構成がシンプル
VRChat は複数人でワールド上を探索することを想定しているのか、ワールド制作において複雑*3なイベントはあまり作れないように思います。基本は作ったワールドをプレイヤーがうろつく、イベントを起こせる、ペンを使用して落書きできる、みたいな構成になっています。
ただし、ワールドによってはアイテムを操作できたり、メニュー画面を拡張したりすることはあります。
自分がこれまで探索した VRChat ワールドの中ですごいなーと思ったワールドは「Japan Street (NEET ENGINEER さん)」と「DrivingCity At Night (amesake さん)」です。前者は現実の日本そっくりの街並みに自動で動く交通機関に乗ることができます。後者は車を自分で運転し夜の摩天楼の中を駆け抜ける体験ができます。
自分は Unity を使用した経験はありますが、 VRChat のワールドを制作した経験はないもので、 Unity の範囲内なら VRChat のワールドでできることはまだまだ大きいはず・・・だと思います。
WWA も同様に複雑な RPG システムが搭載されていませんが、ステータスの概念があるため、 VRChat よりかはよりゲーム寄りのワールドは作れるでしょう。
WWA にはメニュー画面の概念がないので、メニュー画面を独自で作って実現しているワールドもあります。その辺も VRChat と似ています。
🤔 投稿されているワールドの内容においては両者異なるようです。この辺は後述の「VRChat と WWA で違うこと」で説明します。
ゲートを通じてほかのワールドへ移動できる
VRChat はワールドから別のワールドに移動するポータルが存在します。
WWA もURLゲートという形で別ページに移動するゲートが使用できます。むしろ WWA の根幹にあたる機能と言ってもいいと思います。元々 WWA はインターネットが大衆化した1996年頃に「インターネットの機能を活用して、ゲームとゲームをつなげれば、一つの大きなワールドになれるんじゃない?」という思想で開発されました。 WWA は "World Wide Adventure" の略称であるということを忘れないでおきましょう。
しかしながら両者とも多くのワールドで使用されていないかなという印象です。
VRChat と WWA で違うこと
コミュニケーションプラットフォームとゲーム制作ツールということなので、どうしても投稿されるワールドの内容には違いが出てきます。まあ、マルチプレイ前提とシングルプレイのみ、 3D と 2D とではワールドの内容もだいぶ変わってきますし。
VRChat のワールドは様々なテーマを表現したワールドが多い印象です。具体的には下記の通りで、ビジュアル面で多彩なワールドが展開されています。
- 青空文庫の本を掲載した図書館「NDC Library (ねむり木 さん)」
- ポップカルチャーに浸った人の1999年の日本の部屋「ノスタルジア1999 (ONN’ON STUDIOS さん)」
- ゆめにっきを再現したファンメイドワールド「"U" me Nikki (messier_n さん)」
一方で WWA は頭を使うゲーム寄りのワールド、特にダンジョンゲームが多いでしょう。
近年では WWA Wing の機能強化により、ゲーム性は次第に増していると言えます。「逃げ金!」は自分が歩かなくても敵の魔王が勝手に近づき、魔王に触れるとゲームオーバー、それまでにすべての金を集めろ、ということでアクション性の強いゲームとなっています。
VRChat もゲームができるワールドはありますが、ざっと見た印象ではボードゲームや対戦ゲームのような、マルチプレイで遊ぶワールドが多い感じでしょうか。本当は遊んで確かめたいところですが、時間不足により実現できず・・・。
VRChat にあって WWA に無い
- 3Dグラフィック
- VR対応
- 複数プレイヤーと同じワールドで集まる機能(オンラインプレイ)
- カメラ機能
- WWA でも PLiCy で投稿すれば、コメントでゲーム画面を撮って共有することはできます
- マイク機能
- オンラインプレイがないと成り立たない機能なので、リストに入らないかもしれない
- 課金機能
- WWA の投稿先である PLiCy にはプレミアムプランがありますが
オンライン WWA ・・・。やりたいですよね。補足しますと、 WWA でも公開して間もない1997年にオンライン対戦ゲームの Emperor や Battle Arena が提供されていました。興味のある方は2016年頒布の「WWAの冒険書 - 20年の軌跡を QuickLoad!! -」をチェックだ!
VR 対応においても、人の動きに連動して動く WWA は実用的ではないけど見てみたいです。
ちなみに VRChat の機能の一つであるアバターは WWA にはないのかというと、あります。 WWA ではプレイヤー画像の変更で一応アバターとしての機能は成せますが、オンラインプレイ非対応であるため、あまりアバター機能として成り立っていないような気はします・・・。
WWA にあって VRChat に無い
実はあまりなかったりする? 強いて言うなら下記の通りではないでしょうか?
- ゲームデータを保存すればオフラインでもプレイできる(ただし高度なテクニックが必要)
- ステータス(生命力と攻撃力、防御力、所持金)
- VRChat も実現可能かな?
- アイテム
- ブラウザーが使用できれば遊べるほど敷居の低い、軽快な動作
WWA ではアイテムボックスを活用してパーティを疑似的に表現することができます。
VRChat でもアイテムの概念はありますが、プレイヤーが持たせることはできません。手に抱え込むか放置するかの二択です。去年のバーチャルマーケット 2022 Summer では、大阪駅を再現したフロアで ICOCA を発行してユーザーが持たせるイベントがありました。
Advent Calendar は次が最後
この記事は Advent Calendar の企画で書いています。次の回は enjoyable さんの「ホワイト・ダーククリスマスwwa!」 (12/25) です。もう次が最後になってきました。
Advent Calendar の成果などについては WWA FanSquare 側で発信しようかなと思うので、この記事はここで締めさせていただきます。
- 2024/1/28: 一部誤植を修正しました。